都に登城したウキョウを待っていたのは、
思いも寄らぬ己の出生の秘密であった。
野伏せりに誘拐させた女たちを苗床とし、
天主の複製を諸国に蒔き、
その中から自力で這い上がった者に
次代天主として教育を施す―。
驚きを隠せない
養夫アヤマロに対し、
ウキョウ本人は
至って状況を楽しんでいるかの様子。
かつてはリキチの妻であり、
現在は天主の子を宿しているサナエは、
ウキョウの笑みに
只ならぬ不安感をかき立たされる・・・。