|
はるか未来、地球と呼ばれていたかもしれないある惑星。そこでは全身を機械化したサムライ達が長い間戦をし、大地が焦土と化してようやく大戦は終わった。人々は再び田を耕し、生きていくには困らない程度の米を生産できるようになった、そんな時代。
深い山々に囲まれ湿潤な気候に恵まれたカンナ村も大戦時の痛手から立ち直り、米の収穫に恵まれている。だが、村人たちは、米の出来に喜んでばかりはいられない。毎年やってくる黒い脅威「野伏(のぶ)せり」--かつて戦場を彩っていた機械化されたサムライ達のなれの果てが襲ってくるのだ。戦争の終わった今では彼らは生きる目的を失い、徒党を組み村々を蹂躙し米や女たちを奪っていった。
抵抗には死--米をつくることしか知らない農民たちは収穫期の野伏せりたちの襲撃を仕方なく受け入れる以外、生きる術をもたなかった。
収穫期を前に稲穂の実りを視察にきた野伏せりに対して、カンナ村の長であるギサクは徹底抗戦を唱える。村人からあがる反対意見。しかしギサクには野伏せりを撃退する妙案があった。野伏せりに対抗できるのはサムライしかいない。
戦が終わり、戦う場所を失ったサムライたちは皆、力をもてあまし、腹をすかせている。腹いっぱいの米を報酬にすれば、必ずサムライを雇い入れることが出来るはずだ。
かくして血気盛んな若者リキチと、水分(みく)まりの巫女のキララとコマチ姉妹が村の代表として、砂漠の向こうにある街・虹雅渓(こうがきょう)に向かう事となる…。
|
|